令和4年度 群馬県立点字図書館利用者満足度調査集計結果の分析   1.調査対象者及び回答者について (1) 調査対象者と回答媒体の分析と対応  調査対象は、利用登録者のうちメール送信可能者、1年以内に当館を利用した利用者から無作為抽出した228人であり、うち102人名から回答を得た(回答率48%)。 メール送信による回答率は例年低くなるため、Googleフォームを活用した。さらに回答数確保のために、電話による聞き取りを併用し、約5割の回答率となった。  聞き取り調査には、職員とのやり取りから、当館のサービス内容を再認識できる効用がある。今回も調査を通じて、利用経験がなかった資料やサービスの紹介をすることができた。  調査回答事項については真摯に受け止め、今後の当館運営に反映できるよう努力したい。 (2) 年齢区分及び視覚障害等級 70歳以上が半数を占め、60歳代を加えると約8割に近い数となる。高齢化が顕著であり、幅広い年齢層の新規利用登録者獲得のために館周知活動を継続して行っている。 登録者の視覚障害等級は、1級が78%であり、重度化の傾向がみられる。 (3) サピエ図書館ID所持状況と対応  当館利用登録者も「サピエ図書館」に直接アクセスして、図書を利用することが可能なことから、サピエ図書館ユーザーIDの所持状況を調査した。今年度の回答者の所持率は40%であった。引き続きサピエ図書館の利用推進を図ると同時に、インターネット情報の利用が困難な利用者には、情報格差を是正するサービスを提供していきたい。 2.調査項目の分析と対応  【質問1】本・資料の貸出について  (1) 点字図書館から本・資料を借りたことがあるか  借りたことのある方が94人(92%)、借りたことがない方が8人(8%)であった。 (2) 利用した資料媒体(複数回答 n=94)  最も多く利用された媒体は、デイジー図書67%であった。音訳資料の利用は、ほとんどがデイジーとなっており、テープからの移行が順調に進んでいる。また、複数タイトルの利用が可能なSDカード(デイジー図書)も32%の利用があり、デイジー利用の順調な伸びが見られる。一方、点字図書の利用は24%であった。利用の多いデイジー資料の充実は勿論であるが、点字資料も視覚障害者の文字である点字の意義を考慮して、引き続き充実を心がけたい。 (3) 資料はどのように選んだか(複数回答 n=94)   資料を選ぶ手段は、当館図書館だよりの活用が49%、図書館職員に探してもらうが45%であった。 (4)貸出期間(2週間)について  今回、貸出期間について伺った。ちょうどいいが73%であったが、やや短い14%、短すぎるが13%であった。 (5)図書・資料を借りたことのない理由について サピエ図書館を利用しているが88%、他館を利用しているが12%であった。  【質問2】「本・資料の貸出」以外の図書館サービスの利用について(複数回答 n=102)  最も多く利用されたサービスは、プライベート・リクエストサービス、コピーサービスが35%である。次に点字図書館主催の催し34%、デイジー再生機の貸出25%であった。  【質問3】群馬点字図書館だよりの活用について 当館図書館だよりの活用状況は、新着図書の情報54%だけでなく、お知らせ46%、特集29%、着手情報25%など様々に利用されていることが確認できた。また視覚に障害のある方が便利に使える機器を紹介するコーナの利用は52%であり、利用者が情報収集の一助として図書館だよりを活用していることがわかった。 【質問4】点字図書館サービスの全体の満足度について サービスの満足度は、97%が「満足」「ほぼ満足」の回答であった。今後も利用者ニーズに沿ったサービスの提供に努めたい。 【質問5】職員の対応について   職員の対応については、99%が「良い」「ほぼ良い」であった。   【質問6】今後実施してほしい事業、要望  製作図書のジャンル、情報機器の紹介・操作研修会・各種事業の開催について要望があった。今後も利用者からの情報収集に努め、反映するよう努力したい。